NEWS&TOPICS - ●高活ビズ「100歳まで働ける環境つくり・コミュニティつくり」が開催されました。

●高活ビズ「100歳まで働ける環境つくり・コミュニティつくり」が開催されました。

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執筆 : 
yagisan 2016-7-21 20:51

 ●高活ビズ「100歳まで働ける環境つくり・コミュニティつくり」が開催されました。

 

 高齢者による小規模ビジネス・高活ビズ起業塾「第12回ナノ・コーポのすすめ」が716日(土)、さいたま市南区のBABAラボ工房で開催されました。

 今回はこれまでと趣を変えて、実際に活動されている現場に出かけて話を伺う講座スタイル。参加者は約15人でしたが、「地域に密着した具体的な活動の雰囲気がよく伝わりました。」と、好評でした。

 

◆じぶんらしい仕事づくりを応援する家『BABAラボ』

 初めての体験型講座を開催したBABAラボ工房は、JR埼京線・中浦和駅から徒歩6、7分の閑静な住宅街にある2階建ての民家。玄関の横には、「じぶんらしい仕事づくりを応援する家『BABAラボ』」の看板があるので一目でわかります。

 1階は、ミシンが置いてある作業場と皆が自由に集まれるフリースペース、キッズ専用スペースのほか、玄関脇には、BABAラボ工房が製作した孫育てグッズ商品や、各自がオリジナルで製作した作品も展示しています。手作りのポシェットがよく売れるとのことでした。

 2階は、BABAラボ工房の事務所兼倉庫、ほかの2部屋は地元のデザイナーなどが利用しています。

 

◆人生100年時代の環境つくり

 2011年に、BABAラボ工房を立ち上げた代表社員の桑原静さんは、学生時代から企業のWebサイト構築、社会人になってからはNPO法人コミュニティビジネスサポートセンターでコミュニティビジネス講座の講師や事業相談等の支援活動を行ってきた。

 工房を立ち上げたきっかけは、まさに今回のテーマでもある「100歳まで働ける環境つくり・コミュニティつくり」。「私(桑原さん)たち40代の人は、たぶん人生100年時代を生きることになる。いまからその環境つくりをしておかないと間に合わなくなる」との想いで始めたといいます。

 

「大好きな祖母(80代)が元気なうちに、一緒にできることをしたい」と、どんな職場がいいのか、最初はかなり悩んだ。総菜屋さんやカフェ、学童保育などのアイディアも浮かんだが、シニアには体力的に大変なのと、店舗が必要な商売は資金面でも厳しい。

 祖母は手芸が大好き。布の雑巾やたわし、介護用の下着などいろいろ考えたが、共働きや親子の近居が増えているということは、シニアが孫を見る機会が増えることでもある。最終的に手芸が生かせる孫育てグッズの製作を中心に展開することにした。

 

◆高齢者の得意な手芸で孫育てグッズを製作

 実際に立ち上げたものの、働き手であるシニアを集めるのが大変だった。公民館の手作り手芸品のワークショップを開催したり、近所にチラシを配布したりしたが、シニアは警戒心が強く、なかなか集まってくれない。最初は、「宗教ではないか」など怪しまれたこともあった。

 シニアの募集の決め手は、やはり新聞やラジオの取材を受け、取り上げてもらったことが大きかった。高齢者はインターネットはほとんど見ない。でも新聞やラジオで取り上げられたことで信用ができ、4,5人くらい集まるようになってやっと本来の孫育てグッズの製作ができるようになった。

 ここで2つ目の壁にぶつかる。確かに女性の高齢者は、手芸はほとんどできるのだが、趣味ベースと商売ベースではつくりが全然違う。商売ベースに乗る商品までに引き上げるのに一苦労。全体のレベルが上がるまでにはそれなりの時間が必要だった。

 

 一番気を使ったのが、おばあちゃんたちの働き方だった。継続して働ける仕組みが求められた。

 いつでも気兼ねなく休めるようにと、作業はできるだけ細分化。刺繍をしたら150円、ミシン縫いは200円、ボタン付けは115円と、その人の時間の都合に合わせてできるように。管理は大変になるが、無理をせず楽しんで仕事をして欲しかった。

 

◆ヒット商品は安心して孫が抱ける「抱っこふとん」

 BABAラボが製作、販売する「孫育てグッズ」の中でも、ヒット商品は高齢者でも安心して孫が抱ける「抱っこふとん」。

実際に生まれたばかりの赤ちゃんと同じサイズ、同じ重さ(3キロ程度)の人形を直接抱いてみたところ、これが意外に重い。それと、首が座っていないとやはり初めて孫を抱っこすると落としそうで怖いんですよね。

ところが「抱っこふとん」に“孫”を寝かせてそのままふとんと一緒に抱っこすると、本当に安心して抱けることがよくわかりました。今回参加した人もそれぞれ体験をしてもらいましたが、一様に「安心して抱けるね」と好評でした。

 

 このほか、買い物手提げ袋に子ども(孫)が握れる輪っかになったひもがついている「しっぽトート」もやはりおばあちゃんのアイディアで誕生した商品、祖父母と孫がお揃いで着れる「おそろいTシャツ」と合わせて人気商品になっているといいます。

 いずれもすべておばあちゃんや子育て世代のお母さん方が手作りで製作をしているため、大量に注文があったときなどは大変だという。

 

 この夏からは、「メモリの読みやすい哺乳瓶」も売り出す。大学の研究室とのコラボにより高齢者が使いやすいというコンセプトと機能性にこだわった製品だ。かなり資金をつぎ込んだだけに絶対に成功させたい商品だといいます。

 

 BABAラボの現状と働いているおばあちゃんたちのイメージは以下の通りです。

 現在の登録者は40代、50代から80代まで約50人程度。契約形態は、代表社員は桑原さんだけで、あとは固定パート契約、アルバイト契約からボランティア契約までいろいろ。

 収入の目標は、「1人平均月5万円」。残念ながら、月5万円を稼ぐ人はごく少人数で、平均的には月1人数千円~1、2万円程度がやっと。それでも、3年以上かかってやっと全体の売り上げが月70,80万円~100万円を超えるまでになってきたといいます。

 

◆多世代間の交流や一人暮らしの見守り効果も

 工房を立ち上げたことによる思わぬ効果は、多世代間の交流や一人暮らしのシニアの見守りにつながったことだといいます。

意外だったのは、同世代の人との交流よりも40代と70代など多世代間同士によるモノづくりでのつながりが広がったこと。また、BABAラボに来られる70代の半分は、一人暮らしだが、いつも来ている人が顔を見せないと、誰かが電話をして安否確認をするなど自然発生的な見守りの仕組みができていった。

 

シニア世代は、仕事というより人の役に立っていることがやり甲斐になって来ている人が多い。たまに息子さんや娘さんが帰省されたときに工房に立ち寄られ、親(70代、80代)が元気で仕事をしているところを見て安心して帰る姿がよく見られるといいます。

 

◆ばばたちの働き方・生き方を提案する「BABAラボ」を目指したい

 最後に、今後のBABAラボの将来計画とその課題を挙げてもらいました。

<計画1>全国にBABAラボのネットワークをつくる

⇒課題:リーダーとなる人材の発掘(40代・50代を想定)

<計画2>企業・行政・大学とのコラボ、サービス商品の開発

   ⇒販路先の開拓

<計画3>60代~80代の働き方、生き方を考えるWebメディアの立ち上げ

   ⇒記者、調査員、研究者の発掘

 最終的には、全国に10カ所程度のBABAラボ工房を立ち上げ、ネットワーク化した工房をベースに、Webメディアの運営、商品の開発と販売、マーケティングその他の業務委託やイベント等を運営しながら、“ばばたち”の働き方・生き方を提案する「BABAラボ」を目指したいという。                   (柳沼)

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