活動レポート - 201604のエントリ

 <「第11回ナノ・コーポのすすめ」を開催>

 

○テーマは「コミュニティビジネスと介護予防・日常生活支援総合事業」

 

高齢者による小規模ビジネス・高活ビズ起業塾「第11回ナノ・

コーポのすすめ」が319日(土)、東京豊島区の豊島生活産業

プラザで開催されました。参加者は約25人。

テーマは「コミュニティビジネスと介護予防・日常生活支援総合事業」。

今回は、としまNPO推進協議会代表理事 柳田好史さんと、

NPO法人コミュニティランドスケープ理事長 桝野光路さんに

お話をしてもらいました。

 

◆個を活かし、個をつなげ、みんなが助け合える地域社会の実現

 

としまNPO推進協議会の設立は2009年、豊島区で活動する

NPOや社会貢献団体をサポートする全国でも珍しい民設民営の

中間支援組織です。

柳田好史さんは、現役のサラリーマンを続けながら同協議会の

代表理事や豊島区観光協会の常任理事、としまユネスコ協会事務

局長等の社会貢献活動を行っています。

 

柳田さんが、最初に取り組んだのが駅前の放置自転車問題でした。

以前の池袋駅周辺は放置された自転車が至る所に無法駐車、歩くの

さえ大変な場所が多かった。見かねた柳田さんたち住民が一台一台

の自転車に駐車禁止のステッカーを貼り付けたといいます。

当初は怒った自転車の持ち主とのいざこざが絶えなかったが、

徐々に柳田さんたちの地域を守りたいとの想いが浸透し、

放置自転車が少なくなっていったといいます。

 

 その後、同協議会は地域サロン「みんなのえんがわ池袋」の運営

をはじめ、NPOやCSR企業などが一堂に会する社会貢献活動

見本市、フリーマーケット「えんがわ市」を開催。

このほかにも高齢者支援事業、生涯学習運営事業、区民センター

相談事業と様々な地域課題に取り組んでいます。

 

 今回の講座では、独居老人、商店街の閉店、地域コミュニティの

希薄化を解決するために、誰でも気軽に立ち寄りホッとできる場を

提供する地域サロン「みんなのえんがわ池袋」の事例が紹介され

ました。

 子どもからお年寄りまで様々な人が集える出入り自由の地域サロン、

「みんなのえんがわ池袋」。店頭では、古い和服を再利用した箸袋や

手作りのフクロウ「縁ちゃん」を販売。店内には大きなテーブルが

1つ置かれており、みんなの顔が見える設計になっています。

棚には1マス月額千円で借りられるBOXが設置されているほか、

毎週火、木曜日は子供英会話教室なども開かれています。

まさに、「みんなのえんがわ池袋」を起点として、商店会、町会、

地域住民、NPO団体、大学、豊島区の関係セクションなどの地域

ネットワークを形成し、地域全体で街を守っていこうというつながり

ができているのです。

 

としまNPO推進協議会には、約30の団体が加盟していますが、

それぞれ地域住民がどうすれば安心して暮らせるか、地域の子ども達

の健全育成や安全をどう確保していくのかなどをテーマに、高齢化に

伴う介護の問題、子育て支援、若者の就労支援、子どもの貧困問題など、

地域の課題に積極的に取り組んでいる団体ばかり。例えば、

(1)閉校になった小学校跡施設を再活用し、子どもの健全育成を図る

子どもモノづくり学校、若者支援、文化の学び、国際交流などを

テーマに生涯学習講座を開設している「NPO法人いけぶくろ大明」

2)豊島区のみどりの保全、新たな公園用地の取得、みどりの普及

活動をしている「豊島みどりの会」

3)“安心して暮らせる地域を広げ、次世代につなげる”を合言葉に、

地域の安全マップ作りや区民ひろばでのシニア向けサロンを展開する

「NPO法人ささえ手」

4)高齢者や障がい者の暮らしをサポートする「NPO法人市民後見

かけはし東京」など、様々な地域貢献活動をするNPO法人、

社会貢献団体が名を連ねています。

 

柳田さんは、コミュニティビジネスが成功する秘訣は、

1)自己満足度(喜び、楽しさ、充実感、生きがい)、

2)経済自立度(ビジネスとして成立、自立、雇用創出、経済効果)、

3)社会貢献度(顧客満足度、社会課題解決)、

4)地域連携度(地域の支え合い、横のネットワーク)

の4つがバランスよく重なり合うことが大切だといいます。

 

 会場では、コミュニティビジネスがより具体的にイメージができるよう

にと、埼玉県狭山市で地域住民同士が支えあう、有償福祉サービス組織の

「NPO法人ユーアイネット柏原」のDVDも上映されました。

 

◆地域での支え合い「総合事業」(介護予防)に取り組む

 

 理事長の桝野光路さんは、不動産業のコンサルティングをしながら

地域でのNPO活動を始めた。子育てをするうちに、「社会をよくしよう」

と思える子どもたちを育てたいとの想いが強くなっていったといいます。

2年前に設立したNPO法人コミュニティランドスケープの理念は、

「自然共生や環境共生の社会つくりがコンセプト。大学・企業・行政・

自治体とのパートナーシップを組みながら、ネットワークの構築支援と

地域活動者の育成支援やまちづくりコーディネートを行うことで

地域社会の健全な発展と活動の活性化を図る」。

豊島区とは、福祉共生事業として、地域のあらゆる人・組織・施設を共有

するシニアシェアタウン構想の元、高齢者居住支援事業を行っています。

 

 現在、豊島区の65歳以上の高齢者は20.4%、うち65歳~74歳が10.4%、

75歳以上は10%だが、4年後の平成32年には65歳~74歳が9.8%、

75歳以上は10.2%に逆転する。また、現在の要介護認定者10,946人が

平成32年度には12,792人(+1,846人)と約17%増の見込みだという。

 

 豊島区の今後の社会保障費の急増を考えれば、加齢による身体や認知

機能の低下を早めに発見、予防することが喫緊の課題ともいえる。

そこで豊島区は、介護予防プログラムとして、体験型の運動プログラムや

認知症予防の啓発講座などの「高齢者元気あとおし事業」、

新たな介護予防リーダーを養成する人材育成事業などを展開中だ。

平成27年度はNPOが中心となり、区内の13か所で介護予防サロン

が運営されている。

 

 コミュニティランドスケープは豊島区から事業委託を受け、高齢者介護

予防事業として、「行く場所・居る場所・活きる場所」と銘打ち「おとこの

サロン」「女性中心のランチサロン」を運営するほか、介護予防活動をけん

引する高齢者リーダーの人材育成も行っています。

 

 昨年5月からは、地元の巣鴨・菊かおる園で毎月第一木曜日の午後2時から

男性限定の中仙道サロンを開設。比較的地域との結びつきが薄い男性高齢者の

地域デビューの場を提供するのが狙い。男性限定という場の設定が功を奏した

のか、毎回の平均参加者は10人と順調のようです。

 サロンでは、太極拳・おとこのヨガ、まち歩きサロン(隣の名所)、パズル

ゲーム、歌声サロンなど多彩なメニューが用意されています。なかでもプロ歌手

のギターの伴奏で、懐かしい青春歌や演歌などを一緒に歌う歌声サロンの人気

が高いといいます。

 このほかの活動としては、シニアカフェ、シニアサークルなどの「居る場所」

事業として、タブレット講座、iPAD,LINE講座なども開催しています。

 

 コミュニティランドスケープはまだ設立して2年と立ち上がったばかり。

事務局は3人で運営し、事業に専念して活動をしたい想いは強いようだが、

いまは収入面での自立は難しく、実態は事務局全員が副業的な位置づけで

活動をしている状況だという。

 

「これから増える単身高齢者にとっては、住み慣れた地域支援(知縁)で生活を

継続することができ、本人の希望と経済力がかなった住まい方のできる住居

ストックの準備がポイント」。

そのために、地域資源活用型の「超高齢化のための地域共助善隣による高齢者

居住支援システム構築事業」として、桝野さんたちはシニアシェアタウン構想を

進めたいという。  (第2部会 柳沼)                                 

 

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